消費財の8割は女性が購買決定権を持っているといわれている。特に、共働き家庭が増え、仕事に家事に子育てに忙しい妻は、家事の時短、省力化のためにお金を積極的に使う。そして、毎日の食事や、家庭で使う日用品、雑貨、子供や夫の衣類、家電、インテリア、家具、子供の育児・教育、介護に関することなど、夫の小遣いで買えるもの以外のほとんどを主婦が購買を決定している。少ない小遣いで購入する趣味のモノであれ、妻に相談し、許可を得てから買う男性が多いと聞く。
これまでは、女性が決定権を持つ消費財は比較的単価の低いものに限定されるのでは?という見方もされていたが、今では住宅、自動車など大型の消費財までも、最終的に契約書に判子を押す名義が夫であっても、裏では妻が意思決定している場合が多い。
「あなた、あのお店、何だか信用できないわ」
「あなた、あの販売員さん、一生懸命だからここにしてあげましょうよ」
それで彼女や奥さんがご機嫌になるのだったら、その通りにしてあげようか――。
そんな心優しい男性が多いのか、はたまた、そうせざるを得ない家庭の事情があるのかは定かではないが、
"歴史の影に女あり"
"買物の陰にも女あり"
もう"女ゴコロがわからない"では、済まされない。売れるモノを考えるとき、ターゲットとしたい女性はどんな暮らしをし、何が好きで、どんなことにワクワクし、何を不安に思い、どんなことに困っているのか、しっかりと捉えた上でのモノづくり、提供方法が必要なのだ。